更年期の関節炎にもエクエルを
医師の蔦です。先日、関西形成外科学会学術集会に参加し、「女性の手指の不調と対策」という講演を聴いて参りました。 女性ホルモンであるエストロゲンの分泌の急激な低下からおこる更年期症状は、以前和歌子さんのよもやま話でも出てきたホットフラッシュや発汗だけではなく、様々な症状をきたすことがわかってきています。 更年期以降に出現する、女性の手指の痛みや痺れもその症状の一つ。エストロゲンの受容体が手指の関節や靱帯にもあるのです。しかし、「使いすぎ」「年のせい」と思い我慢されている方も多いのではないでしょうか?我慢して無理に動かしているうちに関節が腫れ、変形を来してしまいます。変形が強くなると、手術が必要になることも。この関節の変形を予防に、エストロゲンと似た作用をもつエクオールが有効であるとのこと。当院ではお馴染みのコレ。大豆イソフラボン代謝物であるエクオールは、エクオールを生み出す腸内細菌を持っておられる方は毎日大豆食品を食べていれば補うことができます。目安として、豆乳コップ1杯や納豆1パック、豆腐3分の2丁程です。エクオールが作れない方であれば、サプリメントで補うことができます。作れる方でも、毎日大豆食品をとりづらければ、サプリメントで補うことをおすすめします。 残念ながら、変形してしまうと手術以外に戻す方法はありません。変形が軽度であれば痛みを軽減させたり、進行を止めることは期待できそうです。実際、私の母が「ヘバーデン結節」という指の第一関節(一番先の関節)が腫れて変形してきていて、エクエルを開始してもらったところ、痛みはずいぶん楽になったそうで、進行も止まっているようです。しかし、「指輪が入らなくなっちゃった」と嘆いている母を見て、もっと早くから飲ませてあげれば良かったと後悔しています。 講演では変形をきたす7~10年前から関節の症状は始まっているとのこと、予防が大切ですね!